注：これを書いた当時はネットゲーム『PSO』にのめりこんでいたときでした。以下、それを前提にお読みください。
PSOに限らず、それこそネットワークを使うか使わないかに関わらず、他者と何らかのコミュニケーションが存在するものは、すべからく『マナー』というものが存在すると思うのですよ。そこに人間が二人以上いるならば、コミュニケーションを円滑に進めるために必ず必要なものであるというのは間違いではないはず。現実世界で初対面の人にいきなり傍若無人に振舞う人は、少なくとも現代の日本においては教養のない人・常識に欠ける人という理解がなされているのではないかと。しかしネットワークの世界では、その成熟度と『マナー』の浸透度というのは比例関係にあるように思えます。むしろ成熟度＝マナーの良さといっても差し支えないくらいに。
例えば、人と会った時に挨拶をするということは『マナー』です。『マナー』は、ルールのようにそれをしなければ罰せられるということはありませんが、怠ると相手に不快感を与えることもあります。現実世界では当たり前のことです。しかし、ネットワークでは相手の顔が見えないために、そのことを失念しがちになります。だから、ネットワークのマナーには普段以上に注意を払う必要がある場合が多いんですよ。そもそもが、単純な文字列しか伝えられないという現実世界と比較してのコミュニケーション性の低さにもあるわけでして。
とまぁ、これらはインターネットが普及し始めた頃から言われていたことです。別に目新しくもなんともありません。ネットワークにはネットワーク独特のローカルマナーがあったり、皆が暗黙の了解として守っていることもあるので、初心者はそれを知らないことが多いはずです。けど、初心者はそれを知らないだけなのでローカルマナーがあるということを伝えれば済むこと。マナーに反した振る舞いがあれば、その場で言ってやれば解決する場合が多いんです。
難しいのは、ある程度そのネットワークに慣れた人。やはり人間ですから、ローカルマナーなどの解釈は人それぞれ違います。それでもって、自分の解釈しているマナーの概念を他者にも当てはめて考えがちな人は説得に困ります。その人にとって、そのマナーは『正しい』のですから。正しいと思っていることを間違っているから直しなさいといわれて、はいそうですかの二つ返事で直す人がいったいどれだけいるでしょうか。
たとえば、PSOBBの公式BBSを見ていてとにかく思うことは、マナーがあるということは理解しているけどもそのマナーの解釈には人それぞれ差があるということを理解していない人が割と多いということ。まぁ、BBSに書き込む人しか分からないわけですので、PSOBBプレイヤーがそうだとは思いませんが。だけど、考え方の相違から来る摩擦というのは確かに存在するわけで。何気ない一言が相手を傷つけてしまう、とよくいいますが、ネットワークでは現実よりもその可能性が遥かに高いです。その文字列の裏側に隠された感情は、相手に伝わらないので。
さらには基本的な思考そのものさえ、皆完全に同じではありません。PSOでいうなら、プレイスタイルとかアイテムの分配の仕方とか。その一つ一つを、相手にあわせなければなりません。これは相手に迎合するという意味ではなく、自分の基本的な思考を明らかにして相手の考えと妥協点を模索する、ということです。これを明示的にやるかどうかも人それぞれで、パーティの雰囲気を読み取って臨機応変に対応している人も少なくないと思います。こういった解釈の違い、考え方の違い、それらを含めて『マナー』があるのではないでしょうか。また、これらをその場で言える勇気も必要ですね。
実際のところ、ここで書いたことは今までPSOの公式BBSで何度も言われています。まぁ、基本的な挨拶さえしない人も多い中、マナーの解釈の違いで呆れている人もいるのではないかと思います。だけどそれは現実でも同じことで。人との付き合いは単純な一言で括れるほど簡単ではないですが、自分の考えを持ち、人と違う部分を議論して、その都度その場の人が納得できる考えを模索するように留意すること。それが確実にできるという保証はありませんが、それを怠らないようにすることはできるのではないでしょうか。努力というのは、そういうことをいうのではないかと。
Comment