色んな事に手を出して、しかもそれらを完成させるべくもなく、ただ手を付けてみただけという風に放っておく。いつも思うことは、どうして一つだけを真剣に極めようとしないのかということ。時間は限られているのに。
――単純に負けず嫌いだから。
井の中の蛙でしかないということも分かっている。確固たる自信を持てるものがなかったから、色々なものに手を付けて、それでちょっとだけ「出来る人」を演じることが簡単だと分かったせいで、その誘惑から逃れられないでいる。
――見栄っ張りで臆病だから。
何か一つを究めた人が為すことの素晴らしさを知ろうとし、それを自分でも為したいがために頑張っているはずなのに、早々に見切りを付けて諦めてしまう。才能だとか忙しさを理由にして。やればできるんだと思いこみたい自分。
――何も為したことがないから。
そんな心の弱さに折り合いを付けて、どうにかこうにか毎日を過ごしていく。そうやって生きていける自分は、別に悪くないもんだと思う。
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