ACM/ICPC 2007世界大会終わる(スラッシュドットジャパン)
東大の「産業総論」で露呈 日本人の知力崩壊が始まった(日経BP総合)
情報処理技術関連の水準の高さが売りである「技術立国」の日本。実は殆ど張り子の虎のようなもんじゃないかと思う。今現在の産業では確かに技術水準が高いのかもしれないが、将来的に期待できない。何がダメって、情報を扱う際に必須である「数学的思考」が壊滅的。プログラミングは、リンク先記事中にもあるが、高度な情報処理過程を単純な計算の集積に置き換えるところから始まる。順序があり、流れがあり、規則がある。これはプログラミングに限らず、物事の基本的な考えにも通ずる。言ってしまえば、そもそもこの「基本」が通用しないのが今のゆとり教育の結果じゃないのかとも思ってしまう。
技術立国としての競争レベルや世界との比較による水準等々の議論はリンク先記事で色々と行われているので割愛するが、どうもこの先日本の水準が上がるとは到底思えない。小学生の学力低下が叫ばれる昨今、そんな悲観的事実はある程度分かり切ったことかもしれないが。数字を見るのが嫌、という人は自覚して欲しい。その認識は決して怠慢による自己責任のみであるとは言い切れないが、論理的な思考ができなくなった人が担う将来は諸手を挙げて歓迎できるものではないと。
後輩の指導にもあたるようになってひしひしと感じる。数学は生活の道具だと思う。微分積分をそのまま生活に使う人は稀だが、微分積分の思考ができない人には諸処の問題の解決のために「困難の分割」というプロセスを理解できないだろう。あなたは分数の勉強をしている小学生に、「分数の割り算で、割る数の逆数を掛け算する」ことを理屈で説明できるだろうか。
余談だが、関東出向の時に面白い問題に出会った。「円周率が3.05より大きいことを証明せよ(2003年 東京大学入試)」。単純だが、飛行機の待ち時間を潰すくらいには付き合って貰えた。
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