Fedora15の64ビット版をインストールしてみた。GNOME3になって見た目が大幅にチェンジ。なんだか慣れないと上手く使いこなせない。「デスクトップ」という概念が変化しつつあるのか? スマートフォンやらで見かけるデザインとよく似ている気がするし、実際スマートフォンとの統合を狙っているんではなかろうか。アプリの並べ方とかは強い影響を感じる。
アクティビティというボタンを押下するか、画面の左上隅までカーソルを持って行くと、起動しているアプリの一覧(ウィンドウ)とインストールされているアプリのメニュー(アプリケーション)が表示される。仮想デスクトップの切り替えもできる。ログアウトやシャットダウンは右上のアカウントボタンにまとめられている。右クリックは効かない。このあたりがスマートフォンライクな要素だ。逆に、スタイルの細かい変更ができないから、これが気にくわない人はスタイル全体を弄るしかないのかも。リーナス氏も不満を述べている(slashdot.jp)らしいし、細かな変更が好きなLinuxユーザには癇に障るのかもしれない。実際、私自身もFedora14に戻そうかと考えたくらい。
しかしまぁ、よくよく考えてみたら、私はデスクトップに元々何も置かない主義だし、ブラウザと端末のクイックリンクがあればさほど困ることはない。ファイル操作に関する殆どの部分を端末上でやってしまっているから。細かな設定については、gconf-editorなどで対応できるらしい。まだそこまで弄ろうとは思っていないので、しばらくは様子を見てみることにする。
そんなUIの変更よりも深刻な問題が発生。ATOK X3がGTKアプリ上で起動しない。つまり、端末上やgeditなどで日本語入力が出来ないのだ。個人的にはUIの変更よりもこっちのほうがよっぽど問題だった。
とりあえず、インストールメモの通りにすればATOK X3自体はインストールできるし、Firefoxなどではちゃんと入力できる。バックアップから辞書データも復元できたし、Firefox上では問題ない。しかし、端末上で扱えないというのは困る。vimでテキストをよく書くし、日本語のディレクトリにアクセスが困難になってしまう。ネット上を探してみたところ、パッチを作ってGTK3に対応されている方を発見。早速やってみた。
まず、GTK3の関連ライブラリをインストール。
# yum install gtk3*
ATOKX3のソースへアクセス。私はダウンロード版を購入してあるので、そこから持ってきました。
# cd ~ # tar zxvf /tmp/atokx3.tar.gz # cd ATOKX3/src/IIIMF
iiimfのパッチ済みソースファイルを解凍。パッチを当てる前のソースとパッチファイルが解凍されるので、そのソースを解凍。
# tar zxvf iiimf-trunk_r3104-js3.src.tar.gz # tar zxvf iiimf-trunk_r3104.tar.gz
GTK3対応パッチをダウンロードし、パッチをあてて一旦ビルド。
# wget http://mikeforce.net/trac/iiimgcf/export/833/trunk/patches/iiimgcf-build_with_gtk+_3.0.1.patch # cd trunk # patch -p0 < ../unload_aux.patch # patch -p0 < ../delaycommit.patch # patch -p0 < ../iiimgcf-build_with_gtk+_3.0.1.patch # make build
iiimgcfディレクトリに移動し、im-iiim.soファイルをビルド。
# cd iiimgcf # cp ../lib/iiimcf/.libs/libiiimcf.la . # cp ../lib/iiimcf/.libs/libiiimcf.so .libs/ # make # chmod a+r .libs/im-iiim.so
im-iiim.soファイルを所定のディレクトリにコピーし、モジュールを登録する。OSが64ビット版であることに注意。
# cp .libs/im-iiim.so /usr/lib64/gtk-3.0/3.0.0/immodules/ # /usr/bin/gtk-query-immodules-3.0-64 > /usr/lib64/gtk-3.0/3.0.0/immodules.cache
ログアウトして、GTKアプリでATOKが使えることを確認する。端末では左下隅に空白のラベル(おそらくATOKと表示される領域)が表れるが、とりあえず実害はないので放置。
※参考サイト
この七面倒くささはなんとかならんだろうか……。OSアップデートごとにこんな手間がかかるようじゃ、先が思いやられる。ジャストシステムがATOK X4でも作ってくれることを祈るか……。
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