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新型コロナ接触確認アプリで発見された不具合、OSS利用をめぐる議論にまで発展(srad.jp)

珍しく連続更新。アプリ開発について、ちょっと思うことがある記事でした。

新型コロナウィルスが世間を騒がせていますが、これに関するアプリ開発でひと悶着あったようで。具体的な話はリンク先の記事のほうを追っていってもらいたいのですが、問題点をかいつまんでいえば、アプリの不具合について開発者が叩かれた結果、その開発を止めてしまうことになったというもの。これがなんで問題なのか?ということですね。

このアプリ、開発の経緯がややこしくて、始めは完全ボランティアで作っていたようです。そして全く別のプロジェクトがこけた結果、このアプリに白羽の矢が立ち、政府肝いりのアプリ開発委託案件になったっぽいですね。委託として提示された〆切が3週間とかいうふざけた〆切でしたが、なんとか形にしてプレ評価版をリリースした結果、報道で「プレ評価版」という言葉が抜け落ち、バグだらけで使えたもんじゃないという酷評をアプリ開発者がダイレクトに受けることになってしまい、開発者が萎えてしまったというのが話のオチ。

問題点はいくつかありまして。ざっと挙げると、『アプリ開発の期間の短さ』『リリースに関する不手際』『開発者へのダイレクトな酷評』という感じでしょうか。まず開発期間の短さは噴飯物で、ボランティアレベルの開発体制なのに〆切が3週間というデスマーチクラスの難物。アプリの機能をざっと眺めましたが、むしろ3週間でよくそこまで持っていったもんだと思うくらいでした。次にリリースに関する不手際ですが、これは開発を投げたクライアント側が色々勝手に決めてプレスリリースしてしまうという典型的お役所仕事、嘲笑レベルのもので、しかもプレ評価版・ベータテストアプリであることが抜け落ちるという始末。これを以てバグだらけで使えたもんじゃないアプリ、と言われても、開発側としてはそりゃそうですよと言いたくなるでしょうな。実地で試してもらって、バグだしを修正していくバージョンのアプリに何をかいわんや。

アプリ開発者側の視点に立てば、デスマーチクラスの仕事をなんとか形にしてまとめあげてみれば返ってきたのは怒号と罵声、となればそりゃやる気も何もかもなくなるってもんです。問題点を粛々と指摘してデバッグに協力するならまだしも、開発者への人格攻撃とか、誹謗中傷となんら変わりないですからね。ボランティアレベルでそこまで耐えなくてもいいし、耐えるもんじゃないと思います。

ただ疑問に思うのは、ボランティアから委託案件へと移った時に、諸々の問題に対するすり合わせはなかったんだろうか?ということ。アプリ開発期間の短さを断れなかったかとか、プレ評価版をリリースすることへの説明の補充とか、個人への人格攻撃が出ないようにするべき配慮とか、どこかで歯止めをきかせられるセーフティがなかったんかなーとは思います。大本がボランティアでスタートして、開発者がメーカー所属で、そのメーカーが下請けになって、という複雑な事情で始まっている感じなので、表に出せない情報とかもあるのかもしれませんが。

それはともかく、開発者への個人攻撃は傍から見てもみっともないとしか言いようがない。そんなことして解決するわけでもないし、デバッグ情報なら適切なルートで報告すればよろし。完璧なソフトウェアしか許さないみたいな物言いは呆れるばかりですが、そういう認識の人が多いのもまた事実なんですよね。日本の風土病ともいえるかもしれませんが、減点方式の評価システムとその評価しか許さない感性はどうにかならんのかな……。

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